「ゼミ生の居心地のいい空間」

——7期の外ゼミ代表を務められましたが、

  外ゼミ代表とは何をする役職ですか?

田上 ひとつは、外って書いてあるくらいだから外部との接点になることかな。もうひとつは、内側の統括。その両方をやるっていうのが外ゼミ代表の役目です。

 

外部との接点というのは、政治学科ゼミナール委員会からの連絡を受けて、週に1回昼休みの会議に出席して、色々な仕事を振られるんだけど、自分はそこでソフトボール大会の企画を任されてました。基本的には外部から連絡を受けて内側のメンバーにつなげるっていう仕事がメインかな。   

 

 

内側の統括に関しては、内ゼミと連携して、ゼミ生同士をつなげるような役割を意識して自分はやっていたかな。コミュニケーションの面で。最初にひとりひとりのゼミ生と面談みたいなのをやって、ひとりひとりの個性をつかむってことをやったね。誰と誰が仲良いかとかも聞いて、学部が違ったりして元々の知り合いがいない人もみんなの輪に溶け込めるように。そこのハブ役になることを意識してたね。実は最初のころに躓いて、やめたいって言ってた人もいたんだけど。その人にはすごい時間をかけて自分と仲良くなることで溶け込んでいけるように工夫したり、そういう地道なことをやっていったね。成果が出てるかはわからないけど、他のゼミを見てると途中でやめちゃう人が出てくるケースが結構多いから、自分達の代は結果として今までひとりもやめてないから、良かったのかなって思います。

そういう風に、ゼミ生の居心地の良い環境を作るのことが外ゼミ代表の仕事かな。

 


「なんでお前の主語はいつも”日本人”なの?」

——アメリカへの留学では、何を得ましたか。

 

田上 アメリカでは、自分の中の常識が常識じゃなくなるような経験がたくさんあったね。たとえば、向こうにもラーメン屋ってあるんだけど、自分が日本にいる時みたいにすすって食べてたら、向こうって音を立てて食事する文化がないから、音を立てる事自体ありえないみたいな反応があって。それを指摘された時に、「日本人はラーメンをすすって食べるから」って言ったら、アメリカ人の友達が、「お前のそういう話はなんでいつも主語が日本人なの?」って質問されて。「主語はだろ!」と。「いや、日本人だから(笑)」って答えたら、「日本人でもひとりひとりは違うだろ」って。そこで「アメリカ人は自分たちのことアメリカ人って言わないの?」って聞いたら、「言うわけないだろ。それぞれ違うんだから」と言われて。たしかに振り返ってみると、アメリカ人で主語をアメリカ人にする人ってあまりいなかったんです。もちろん時と場合によるし、留学生という立場だったから自分も「日本人は~」という言い回しを多くしていたのかなとは思うけど、でも確かに彼らの話の主語はたいてい「I」なんですね。いつも主体は自分自身なんだっていう考え方があった。それって日本人にはあまりない考え方なんじゃないかなと。日本人って個性を尊重すると言っていても、基本的には日本人同士自分たちが同質だと思ってるから。そういうことをアメリカで言われて、すごく印象に残っています。ラーメン屋以外でも節々でこのことを感じる場面があって、あの留学を通じて「集団を一般化するな」という教訓みたいなものを叩きこまれましたように思う。