【対話篇】Vol.2

塩原ゼミの本質に迫る「対話型」企画、第2弾。

今回は、外ゼミ代表という役職ながらアメリカへの留学を決意し、

1年間の海外生活を終え帰国した男に話を聞きました。

(取材・文/HP編集部)

 

 


今回の「対話人」

田上直弥(たのうえ・なおや)

7期外ゼミ代表。

国際交流サークルでも重要な役職を務め、

引退後の4年次よりアメリカへ留学。

あまりに大学生離れした外見から、「係長」の愛称で親しまれた。

 


「社会学は、凄く身近な学問だと思った」

——なぜ、塩原ゼミを選んだのか教えて下さい。

田上 塩原ゼミを選んだ理由は3つです。

 

まず1つ目に、塩原先生の授業を1年生の時に受けていて、社会学に興味を持ったからだね。大学1,2年生時に様々な分野の講義を受けてきたけど、その中で社会学がいちばん自分の生活に身近な学問だと思ったんだよね。政治学って、政治を学ぶ以上、広い視点が多いなと。国同士の関係性であったり、国全体の文化ってひとくくりにしてたり、それは良い意味でも悪い意味でもざっくりしてるなとあの頃政治学科の講義を受けながら感じてた。一般的な政治学の学問から学ぶことはもちろん沢山あったし、それらと自分自身との関わりや接点を見つけることもできたけど、それでも自分からは遠い感じがしたんだよね。国際政治の話をされても、日本の政治においてこういうことがありましたって言われても、自分がひとりでどうこうできる次元のことじゃないよなって思いも少しあって。そういう意味では、社会学って凄く身近な学問だと思ってさ。たとえば家の近くを歩いていても外国籍の人とすれ違ったりすることがあるよね。なんでか分かんないんだけど、むかしから観光に来てる人とかに駅とかでけっこう声かけられるんだよね()。新幹線のホームってどこですか?みたいなことを。そこでのやりとりだったり、コミュニケーションの仕方だったり、社会学の分野の多文化共生をふと考えさせられる機会は生活の至る所にあって、自分の身近にも居る彼ら、彼女らは一体どういうことを考えているんだろうと思ったのが社会学を学ぼうと思ったきっかけかな。

 

2つ目は、ゼミの授業形式がすごく良いなと思って。座学と実践っていうコンセプトがあるよね。自分は座学、つまり読書とかだけやって学んだ気になるというのはあんまりよくないなと思ってて。単純に本読んで、感想提出して、それだけを繰り返すのはつまんないなと思ってて。その点、塩原ゼミではフィールドワークがある。座学で学んだことを実践として活かせる場がある。その一方でもちろん時間的な拘束は多くなるけど、逆にそれはいいことなのかなって思ってます。一緒に居る時間が長いぶん、みんな仲良くなれるっていうメリットがあるから。

 

3つ目なんだけど、個人的なことでちょっと恥ずかしい話なんだけど、自分の中で軸としていたものがあってそれがゼミ選びの大きな理由だったかな。マーシャルっていうイギリスの学者がいて、その人の「cool head but warm heart」という言葉を知ってからずっと心に残っていて。人から聞いた話だから詳細は曖昧だけど、マーシャルは講演の時に、イギリスの名門校の学生に向かって、「君たちは頭が良いだろうけど、一番大事なことは、頭が良いことだけじゃなくて、あたたかい心を持っていることなんだ。明晰な頭脳を持っているのも大事だけど、それと同じくらい心のあたたかさも重要なんだ」といった内容を言っていたらしいんですよ。この言葉は自分自身、中学のときぐらいに知ったんだけど、すごく重要な言葉だなと思ったんだよね。たくさん勉強してお金をたくさん貰うことだけが大事なんじゃなくて、もっと大事なことは、今社会で起きてる問題って何なんだろうと目を向けること。生きづらさを抱えている人々に会ったときに何が出来るかってこと。社会において、全員が自分一人のためにお金を稼いで生きていくだけで社会が良い方向に変わるかといったら、必ずしもそうではないのかなって思っていて、じゃあ何が正解なのかっていったら入ゼミ前の当時の自分にはまだ分かっていなくて。そういう意味で自分と違う価値観とか、社会問題とされることに、何かしら関心を向けられるゼミってすごく良いな、魅力的だなって思って。それで、いつか社会に何か大きな貢献をできるような人間になりたくて、そのきっかけを何かここで掴めるかなと思ってこのゼミを選びました。